【12年度】●夫婦の特技を生かしての低コスト養豚経営
十日町市 生越 利男
1.経営の特徴
当該経営は我が国でも有数の豪雪地帯である新潟県十日町市で種雌豚75頭の一貫経営を営む養豚主業の家族経営である。生越氏は、昭和47年に地元農業高校を卒業して以来、零細複合経営(繁殖豚5頭)から養豚主業経営への移行を目指して段階的に暫時規模拡大を行っている。同時に畜舎の転移、拡充、機械施設の導入を図ってきている.
その間、優れた経営運営や経営実績が高く評価されて、昭和54年には「新潟県青年農業士」に認定されている。また、地元農協の青年部長を務めるなど地域として中核的農業者として活躍されている。
当該経営の特徴は経営を効率的に運営するために家族によりそれぞれの部門分担を行っている事である。特に、妻が養豚のかたわら、その経験能力を生かして経理関係を担当していることは大きな強みとなっている。
当該経営は、繁殖、肥育等の飼養管理技術成績は際立って優れている。このような高い経営成果を生み出した要因として、次の点を指摘することができる。
その間、優れた経営運営や経営実績が高く評価されて、昭和54年には「新潟県青年農業士」に認定されている。また、地元農協の青年部長を務めるなど地域として中核的農業者として活躍されている。
当該経営の特徴は経営を効率的に運営するために家族によりそれぞれの部門分担を行っている事である。特に、妻が養豚のかたわら、その経験能力を生かして経理関係を担当していることは大きな強みとなっている。
当該経営は、繁殖、肥育等の飼養管理技術成績は際立って優れている。このような高い経営成果を生み出した要因として、次の点を指摘することができる。
①特に目新しい技術と言うのでなく、一般に知られている技術である基本技術を忠実に励行適用してきている。新技術の導入については、その効果の確実性を見極めて導入に踏み切るようにしてきている。
②畜舎機能のシステム化により効率的・省力化が図られている。豪雪地に適応した畜舎(2階建て豚舎)の配置や屋根構造、温度・湿度管理に好都合な種豚構造(豚房の配置)等自然環境への適応、利用等の面での創意工夫の発揮である。
③時間をかけて計画的に無理なく規模拡大してきたことである。自己資本比率が高く経営は安定している。
④正確な記録に基づいた経営管理の実行で、飼養管理成績並びに経営成果は高水準を維持しており、低コスト生産の礎となっている。
⑤管内の養豚仲間と自主的に同志的グループを結成し、飼料の共同購入や生産資材の購入により仕入れ単価の引き下げに努めている。このことにより、経営面に与えるプラス効果は極めて大きい。
また、郡内の養豚農家と連携し、情報交換、技術研究等の活動を行い、農協との連携で農山村農業振興の中核的役割を果たしている。
また、個人としては堆きゅう肥を通して市内の畑作農家と結びつくなど、周辺と連携した経営活動を行っている。
②畜舎機能のシステム化により効率的・省力化が図られている。豪雪地に適応した畜舎(2階建て豚舎)の配置や屋根構造、温度・湿度管理に好都合な種豚構造(豚房の配置)等自然環境への適応、利用等の面での創意工夫の発揮である。
③時間をかけて計画的に無理なく規模拡大してきたことである。自己資本比率が高く経営は安定している。
④正確な記録に基づいた経営管理の実行で、飼養管理成績並びに経営成果は高水準を維持しており、低コスト生産の礎となっている。
⑤管内の養豚仲間と自主的に同志的グループを結成し、飼料の共同購入や生産資材の購入により仕入れ単価の引き下げに努めている。このことにより、経営面に与えるプラス効果は極めて大きい。
また、郡内の養豚農家と連携し、情報交換、技術研究等の活動を行い、農協との連携で農山村農業振興の中核的役割を果たしている。
また、個人としては堆きゅう肥を通して市内の畑作農家と結びつくなど、周辺と連携した経営活動を行っている。
2.経営の形態
養豚と水稲の複合経営
3.経営の概況
(1)家族及び労働力
表-1
続柄
|
本人
|
妻
|
家族計
|
年令
|
46
|
44
|
8人
|
労働力
|
1.0
|
1.0
|
|
担当
|
養豚・稲作
|
養豚・稲作
|
|
(2)経営地
表-2
区分
|
田
|
畑
|
計 |
|
作付
|
計
|
普通
|
||
面積
|
50
|
50
|
3
|
53
|
(3)豚飼養規模
①繁殖豚
表-3
|
②育成豚
表-4
|
③肉豚
表-5
|
4.経営の推移
表-7
|
|||||||||||
|
5.経営実績
(1)経営成果
表-8
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
(2)月別分娩頭数の推移
表-9
|
(3)月別離乳頭数の推移
表-10
月
\
項目
|
1
|
2
|
3
|
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
11
|
12
|
合計
|
離乳頭数
|
165
|
128
|
153
|
192
|
187
|
100
|
184
|
195
|
96
|
194
|
92
|
125
|
1,811
|
離乳腹数
|
19
|
12
|
16
|
16
|
17
|
10
|
19
|
20
|
9
|
19
|
10
|
14
|
181
|
1腹当り
離乳数 |
8.7
|
10.7
|
9.6
|
12.0
|
11.0
|
10.0
|
9.7
|
9.8
|
10.7
|
10.2
|
9.2
|
8.9
|
10.0
|
チェック
リスト |
▲
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲
|
|
(4) 離乳から受胎までの日数構成
表-11
|
(5) 種豚飼料給与状況
表-12
種豚給与量
|
育成豚給与量
|
差引種豚給与量
|
1日1頭当り
|
種豚1頭当り
年間換算給与量 |
kg
98,300
|
kg
1,900
|
kg
96,400
|
kg
3.10
|
kg
1,132
|
(6) 飼料給与状況(肥育部門)
表-13
区分
|
単位
|
授乳期用
|
子豚用
|
肥育前期用
|
肥育後期用
|
計
|
期間使用量
|
Kg
|
4,740
|
37,180
|
267,000
|
273,000
|
581,920
|
構成比率
|
%
|
0.8
|
6.4
|
45.9
|
46.9
|
100.0%
|
(7) 肉豚飼養規模と肉豚事故体重別区分
表-14
区分
|
飼養規模
|
1頭当り
面積 |
体重区分
|
||||
離乳~30kg
|
31kg~50kg
|
51kg~100kg
|
101kg以上
|
計
|
|||
平均
|
頭
923.6
|
㎡
0.642
|
13 頭
|
17 頭
|
22 頭
|
1 頭
|
53 頭
|
24.5 %
|
32.1 %
|
41.5 %
|
1.9 %
|
100.0 %
|
(8) 肉豚増体状況
表-15
区分
|
頭数
|
導入時体重
|
出荷体重
|
増体重
|
肥育日数
|
1日当増体重
|
計
|
920
|
7
/
6,440
|
114.3
/
105,145
|
107.3
/
98,705
|
154.0
/
141,680
|
697
|
導入30kg時換算
推定 D.G |
30kg
|
114.3kg
|
84.3kg
|
102.9日
|
819
|
(9) 肉豚出荷状況
表-16
区分
|
出荷頭数
|
枝肉重量
|
販売額
|
格落ち金額
|
||
頭数
|
比率
|
金額
|
比率
|
|||
I期
(1~3月) |
頭 385
|
%21.3
|
74.3 kg
/
28,601
|
29,219 円
/
11,249,308
|
%
19.4 |
11.99 円
/
343,062
|
II期
(4~6月) |
503
|
27.9
|
74.3
/
37,368
|
34,233
/
17,219,203
|
29.7
|
10.12
/
378,048
|
III期
(7~9月) |
484
|
26.8
|
73.2
/
35,448
|
37,331
/
18,068,364
|
31.1
|
14.13
/
500,741
|
IV期
(10~12月) |
432
|
23.9
|
75.4
/
32,592
|
26,708
/
11,537,753
|
19.9
|
10.53
/
343,188
|
計
|
1,804
|
100.0
|
74.3
/
134,011
|
32,192
/
58,074,628
|
100.0
|
11.68
/
1,565,041
|
(10) 肉豚出荷状況まとめ
表-17
区分
|
頭数
|
枝肉重量
|
販売額
|
経費
|
手取額
|
販売枝肉
1kg当り |
枝肉1kg当り
格落ち額 |
計
|
1,804
|
74.3
/
134,011
|
32,192
/
58,074,628
|
4,048
/
7,301,799
|
28,145
/
50,772,829
|
433
|
11
|
枝肉1kg当り金額
|
433
|
54
|
378
|
|
(11) 格付状況
表-18
区分
|
単位
|
上
|
中
|
並
|
等外
|
合計
|
頭数
|
頭
|
827
|
819
|
155
|
3
|
1,804
|
割合
|
%
|
45.8
|
45.4
|
8.6
|
0.2
|
100.0
|
(12) 格落ち理由
表-19
上
物 |
落
ち 物 |
均
称 |
肉付
|
脂肪の付着
|
脂肪の
付着肉の きめ肉の 色沢 |
脂
肪 の 質 |
枝肉重量
|
その他
|
計
|
||||||||
キ
ン シ ョ ウ |
モ
モ |
シ
ン |
モ
モ ・ シ ン |
ア
ツ |
ゴ
ク ア ツ |
そ
の 他 ・ア ツ |
ガ
リ |
ガ
リ ・ ナ ン シ |
ナ
ン シ |
オ
| バ | |
シ
ョ ウ カ ン |
フ
ケ |
タ
マ |
その他
|
|||
827
|
977
|
0
|
8
|
4
|
17
|
357
|
91
|
321
|
101
|
26
|
2
|
8
|
4
|
5
|
7
|
26
|
977頭
|
上物率
45.8% |
-
|
0.8
|
0.4
|
1.7
|
36.5
|
9.3
|
32.9
|
10.3
|
2.7
|
0.2
|
0.8
|
0.4
|
0.5
|
0.7
|
2.7
|
100%
|
|
-
|
3.0
|
78.7
|
13.0
|
0.2
|
1.2
|
3.9
|